変革を求められる
「働き方」への答えが
ここに
2021/10/25技術評論社より発売。ITコンサル・キャリアコンサル・マーケティングコンサル・AI起業家の共著。台湾デジタル担当大臣オードリー・タン氏の特別インタビュー付き。
これからの働き方の変化に漠然とした不安を抱いているビジネスパーソンにぜひ読んでいただきたいおすすめの一冊。
概要
目次
はじめに
この書籍は働き方及び職場のデジタル化と言う大きなパラダイムシフトを、読者の皆さんにチャンスにして頂きたいという思いで書かれました。
「私のおじさんは八百屋なのでデジタルは関係ない」と言う方がいらっしゃるかもしれません。しかし例えば私の住んでいる吉祥寺の歴史ある鰻屋「志乃ざき」さんは、コロナ禍で飲食店が閉店を余儀なくされ、経営が苦しい中でデジタルの利用に成功しました。BASEと言う無料のEコマースツールで鰻ショップを作り、カリスマ鰻屋として全国に半調理品を販売し、コロナの不景気を凌いでいます。
リモートワークに慣れず、成果を出せず苦しんでいるチームも多いです。
我々としてはIT用語であるDXを紹介しながら、ITでない業界の方含め全てのビジネスパーソンに”デジタルの力を活用し、柔軟に時代の変化に対応しながら成長して欲しい”と思い執筆しました。
コロナウイルスでデジタル化を強制された現場や社会は、コロナが消えた後も良い意味で2018年の様には戻らないと思います。DX=デジタルトランスフォーメーションとは、本書の文脈ではITツールをフル活用した、より軽く便利な働き方と組織と業務フロー、ということになると思います。程度の差はあれ全業界に波及するこの動きを、是非的確に本書を通じて活用いただきたいです。
対象読者に応じて自由に取り出せるレシピ的な構成になっています。沢山のノウハウ、事例、ストーリー、インタビューを提供させて頂きながら、みなさんの職場やお悩みに関係ある部分を切り取って活用頂けたら幸いです。
台湾政府デジタル大臣、オードリー・タン氏のインタビュー。
IQ190の天才プログラマーの仕事術を紹介し、変化が激しく予測不可能な未来に最適なワークスタイルとキャリア形成を論じました。
リモートワークでの弊害を足掛かりに、よくある現場の問題(会議、ツール、タスク)、すぐ使える業務改善、社会の流れの統計データ、職場のデジタル化対応に必要な心構えを論じました。リモート鬱や運動不足など、新たな問題についても解説しています。
GE、トヨタやIT企業の取り組み、そしてIT業界の中でも先進的なAIなどの事例を掲載しています。心構え、ビジネスの構成要素、メンバーのモチベーション向上要素、あるべき組織論、持つべき文化論や価値観など、DXに対応する際に検討するべき要素を紹介しています。ITに寄ったコンテンツ内容になりますので、非ITの方は先進事例を取り入れたい場合にトピックから興味のあるところをピックアップして読むといいと思います。
1-5章通じて、Culture(文化)+Organization(組織)+Mindset(心構え)の三要素が、職場のデジタル化を成功させるキーポイントという事をお伝えしたいです。略して、”COM”と覚えてください。
みなさまの興味に応じ、下記の順番で読んで頂ければと思います。
A)リモートワークが上手くいかず悩んでいる方
(12)→(0)→(345)
B)先進的なITをお手本に組織やミッションを見直したい方
(345)→(0)→(12)
C)ワクワクする様な未来の働き方の方向性を知りたい方
(0)→(345)→(12)
D)コロナ禍や不景気でキャリア形成について悩んでいる方
(0)→(12)→(345)
執筆している2021年夏、東京五輪が開催されています。
人間のスキルの限界を努力で突破する選手皆さんには尊敬しかありません。特にパラリンピック競技はハンディキャップを工夫の積み重ねで乗り越える姿が具現化されており、我々は大きな勇気をもらいました。五輪を開催し、上記ストーリーの世界への発信地になれた事は、誇らしいことです。今年ほど、人類に希望が必要な年があったでしょうか?
同様に、ビジネスパーソンのスキルや工夫も、アスリートの努力並にリミッターを外すべきだと考えます。考え抜かれた現場の工夫(=カイゼン)が、自動車と家電という一大産業で身を結び、大和民族の昭和の経済復興をつくりました。元来細部に目が届く我々は、工夫が得意なはずです。
不謹慎な言い方ですがコロナウィルスとの戦いさえ、人類の成長痛と考え、工夫と発明のチャンスと考えたいです。今回強制的に起こっているリモートワークが、デジタル化を激しく推し進め、結果として人類さらにしなやかで強い社会2.0に脱皮できるはずです。
我々もそのために、引き続き職場の生産性に関しての研究を続け、みなさまの仕事とキャリア設計に使える情報を発信し続けようと思います。本書がみなさまのお役に立てれば著者一同の本望です。
企画からご指導頂いた技術評論社編集部の村下昇平さん、また共著者として、(株)ワーク・ライフバランスで上級シニアコンサルタントとして活躍されている村上健太さん(1-2章)、先端ITの知見をフルに活かして頂いたデータラーニングギルド 代表 村上智之さん(3-4-5章)、ライフハックやフレームワークの造詣を生かして頂いた(株)シーガル 代表 真銅正孝さん(台湾政府インタビュー)に感謝申し上げます。
2021年9月
コロナ禍、五輪開催中の東京にて
著者代表 石井 大輔
共著者
異分野の専門家の共同プロジェクトです
村上 智之
ITコンサルタント ― (株)データラーニングCAO・データラーニングギルド・データラーニングスクール代表
株式会社ALBERTにてデータサイエンティストとしてキャリアをスタートし、機械学習やデータエンジニアリングに関する基礎を習得。株式会社イノーバでマーケティングオートメーションツールの開発やサービス企画の経験を積んだ後、澪標アナリティクス株式会社にて大手自動車メーカーの分析チーム立ち上げに従事。2018年5月に株式会社データラーニングを設立。初学者に向けたデータ分析の教育事業とデータ分析の受託事業、データ分析人材向け有料職業紹介事業を展開。社員数数万人規模、売上数千億円以上の大規模企業からスタートアップまで幅広い領域での分析コンサルティングを手がける。
Twitter: @GreenGreenMidor
村上 健太
キャリアコンサルタント ― kabosu代表、(株)ワーク・ライフバランス 上級シニアコンサルタント
早稲田大学商学部卒。SBI損害保険株式会社の経営企画部門等を経て現職。50社以上の組織にデジタルツール活用も踏まえた,働き方改革のコンサルティングを提供。自身もフルリモートワークの勤務スタイルで2020年に約1か月間,大分県でのワーケーションを実践した。
唎酒師,国家資格キャリアコンサルタント,一般財団法人 生涯学習開発財団認定コーチ,The・おおいたブランドマーケティングアドバイザー2020。
掲載:日本経済新聞「常識ナビ」,岩手日報「働き方改革 地方でこそ」など
Twitter: @kabosu_no1
真銅 正孝
マーケティングコンサルタント ― 株式会社シーガル代表取締役社長
同志社大学法学部卒。株式会社ミクシィを経て,現会社を創業。企業のマーケティングおよび広告内製化を支援するパートナー企業として,数多くの事業会社の組織体制支援に従事。現在はマーケティングを中心としたコンサルティングをはじめとして,広告代理店やメディア事業を展開している。
著書:『小さな不労所得を得る「小規模M&A」という考え方』
石井 大輔
AI起業家 - (株)キアラ代表取締役
京都大学総合人間学部卒。伊藤忠商事欧州駐在。多言語ワークプレイスでの生産性改善AI ツール「Kiara」を開発し,世界市場に販売。「働き方の未来とオフィスワーカーの幸せ」を自社・他社事例をもとに研究。アジア・欧米での勤務経験から外国人との協業手法にも精通している。
著書:『機械学習エンジニアになりたい人のための本 AIを天職にする』『医療AIの知識と技術がわかる本 事例・法律から画像処理・データセットまで』(ともに翔泳社),『AI ・データ分析モデルのレシピ』(オーム社)
出演:「ABEMA Prime」,TBSラジオ「THE FROGMAN SHOW A.I. 共存ラジオ 好奇心家族」
Twitter:@ishiid
ぜひ感想をお寄せください
Team AI 5000人の知識と経験談を集めました
"はじめに"より
本書は、これからAIエンジニアを目指そうという方へのキャリアガイドです。
私たちTeam AIは、「100万人の機械学習コミュニティを東京に創る」を目標に、2016年7月に発足した機械学習研究会コミュニティです。本書執筆現在、東京を中心に5000名を超える機械学習エンジニアコミュニティを確立しています。曜日ごとに異なるテーマで研究会を実施し、その全てを無料で提供してきました。
また、研究会でスキルアップした後のキャリアアップ機会提供として、運営母体である株式会社Jenioにて機械学習・データ分析スキルに特化した人材エージェント(正社員・新卒・フリーランス)事業、機械学習・深層学習に特化したAI開発事業も展開してきました。
AIエンジニアを志望する人の数は年々増加の一途を辿っており、毎月私たちが開催しているキャリアセミナーは常に満席状態です。
コミュニティメンバーは初心者から研究者まで幅広く、年齢も高校生~シニアまでいらっしゃいます。また、国籍が多様なのも特徴で、アジアから欧米まで、日本で働く外国人エンジニアが多く集まっています。(全体の30%が外国籍のエンジニアです)。このように、幅広い人脈を通じて日本だけでなく世界中の情報が入ってくるのが私たちの強みです。
そんなTeam AIのメンバーをはじめとした、AIエンジニアおよびAIエンジニア志望者の方々との対話を通じて生まれたのが本書です。
本書には、5000人に及ぶTeam AIのコミュニティメンバーの知見と、人材エージェントとしてのノウハウをできるだけ出し惜しみせずに詰め込みました。
Java、RubyなどのアプリケーションエンジニアからAIエンジニアへのキャリアチェンジを考えている方をメインの想定読者として構成しましたが、AI業界に憧れている方、特に文系の方々にもわかりやすく読んで楽しんでもらえるように書きました。
また、将来AIの開発現場で働きたい高校生、大学生に向けたハンドブックとしても活用してもらえたらと考えています。
本書を読むことによって、読者の皆さんはAIエンジニアとして働くために何をすればいいか、概要を掴めると思います。また、目標までのプロセスが明確になることによって、きっと今すぐにでも勉強したくなるはずです。
転職活動の実践編に関しては、エンジニア目線はもちろんのこと、採用企業の目線でも書くことを心がけました。
また、人材エージェントとして見てきた転職成功例・失敗例を具体的に表したので、AI・機械学習について勉強を始めたばかりの人から、実際に転職活動を始めてみたいという人まで、幅広く実践的な知識を得ていただけると思います。
読者の皆さんに伝えたいことは、この本で効率的に情報取集したあとはひたすらハンズオンで手を動かして学習してほしいということです。
今、AIエンジニア養成スクールはどこも活況です。聞くところによると左官やウェイターなど、全く違う業種・業界からキャリアチェンジしてくる人もいるとか。
もちろんこうしたスクールに通うことも一つの選択肢ですが、今やAI関連の書籍やツールは日々更新され、良いものがどんどん増えています。
例えばアクティブラーニングツール一つ挙げるだけでも、Progate、Aidemy、Kaggle、Coursera、Udemyなど多様化していますから、自分に合うものを試していくことはいくらでも可能です。
自分の才能に限界を設けず、このようなツールを活用してスキルアップしてください。
AIエンジニアを目指す上では、大学1~2年レベルの数学の知識が必要となります。しかし、数学の体系的な知識をに身につけることはむしろ後からでよく、まずは機械学習の参考図書を用意して、そこにあるチュートリアルをコーディングするところから始めていくことをおすすめします。その中でわからない点が出てきたら、数学の本を逆引きすればいいのです。
まずはコーディングからスタートし、足りない部分を勉強しながら補完していく。この繰り返しで、実践の現場で使えるスキルを身につけていくといいと思います。
AIエンジニアを目指す方へのアドバイスとしては、「早めに仲間を見つける」ことです。未経験者がAIエンジニアとして働けるようになるまでには、平均1~2年の学習期間が必要だと言われています。ですから、モチベーション管理が非常に重要です。現在都内では、AI関連のイベントが月間100件~150件程度開催されています。本書の中でも紹介しますが、これらの勉強会・研究会・イベントに定期的に顔を出して仲間を作ることをおすすめします。ある程度長期戦になることを覚悟しつつ、離脱しないように、真面目に楽しく学ぶ。それが1番の近道だと思います。
私たちTeam AIが発足した2016年当時、東京のデータ分析業界で働く人はおよそ5000人程度しかいないと言われていました。それがこの2年間で1.5~2万人になり、2020年には6~8万人になることが予想されています。
このように裾野が広がっていくことによって、より多くの方に向けてAI関連のビジネスの扉が開かれるでしょう。
私たちは「100万人の機械学習コミュニティを目指す」ことをスローガンに掲げていますが、そのような未来はもうすぐそこまで見えているのです。
AIは、産業革命や車の発明に例えられる、人々の暮らしを大きく変える技術です。スタンフォード大学のAndrew Ng教授は電気の発明に例えています。現在も様々な議論を呼んでいますが、正しく使えば生活やビジネスの生産性を上げ、私たちの暮らしをより便利で、素晴らしいものにしてくれるでしょう。
その動きはすでに生活の中に入り込んできていて、本書に記載したように、ガンの診断や自動運転など、あらゆる分野で実用化のための実験が進んでいます。2020年頃を機に、これらの技術は一気に生活の中に浸透してくると考えられています。
このように、AIおよびデータ分析は、夢があって素晴らしい技術です。
本書を手にしたあなたにもぜひ、その技術の担い手として活躍していただけたら、著者としてこれほど嬉しいことはありません。
本書の執筆にあたって、技術指導などでご協力頂いたオング優也さん、Jaiyam Sharmaさん、小川雄太郎さん、伊藤博之さん、Team AIのコミュニティメンバー5000人の皆様全員、Team AI Careerのスタッフチーム、そして伴走して執筆をサポートしてくれた青柳まさみさんに感謝致します。
ご意見・ご感想に関してはお気軽にメール頂けますと嬉しいです。
2018年10月
Team AI 代表 & (株) ジェニオ 代表取締役 石井 大輔
Email: dai@jenio.co
目次
はじめに
第1部 仕事編
第1章 変化の激しいAI業界の全体像を知ろう
―従来のエンジニアとAIエンジニアの違い
―AIエンジニアの仕事
―AIエンジニアの将来性は? どんなキャリアプランを描ける?
―AI世界勢力図―各国のAI事情は?―
―大手IT企業、ベンチャー企業、大学の状況は?
―AI/IoTで産業課題を解決し、教育分野に還元したい 大杉慎平
第2章 AI業界最新職種ガイド
―AIエンジニア
―データサイエンティスト
―研究者
―データアナリスト
―セールスコンサルタント
―AIエンジニアとアプリケーションエンジニアの違い
―AI人材に必要なスキルリスト
第3章 AI人材になるための具体的行動計画
―ホップステップジャンプ! 段階別やることリスト
―キャリアゴールを決め、「習うより慣れろ」の精神で進もう
―就職・転職のために取得しておきたい資格試験
―女性エンジニアよ、もっとAI分野に入ってこよう! スザッナ・イリチ
第4章 勉強法Hack―Team AIが太鼓判を押すコンテンツリスト
―勉強会に参加して業界の全体像をつかみ、勉強仲間を見つけよう
―書籍やビデオコースで基礎理論を学習し、コーディングしてみよう
―英語を勉強すると有利―お薦めの勉強法は?―
―これだけは読んでおきたい! お薦め書籍9選
―お薦めのオンラインコース
―Kaggleでコンペティションに参加し、実践力を磨こう
―スクールやイベントを利用して集中的に学ぼう
―Twitterで最新情報をチェックしよう
―ブログ、Webサイト、その他
―ゲームAIに魅了され、エンジニアの道へ 大渡勝己
第5章 いよいよ転職活動!後悔しないために 押さえておくべきポイント
―AI関連企業について情報を収集しよう
―AI職種に応募するのに適したサイト・エージェントは?
―AI業界にアピールできる履歴書・職務経歴書の書き方
―面接・技術試験に向けて押さえておきたいポイントは?
column:AI業界でも女性が活躍する機会が広がる
第2部 実務編
第6章 私たちの身近にある、AI技術を用いたサービス・プロダクト
―機械学習を使ったビジネスアプリケーション
―画像データを用いた機械学習
―動画データを用いた機械学習
―テキストデータを用いた機械学習
―音声データを用いた機械学習
―時系列を使った機械学習
第7章 実務のためのノウハウ
―ヒアリング
―データドリブンレベルとサンプルデータのチェック
―数理モデル選定
―PoCで仮説検証
―データ取得とユーザー視点の重要性
―データ前処理
―パラメータチューニングと仮説再検証
第8章 海外移住も夢じゃない? 各国のAIエンジニア事情
―憧れの地、アメリカシリコンバレー
―意外と現実的? シリコンバレーで就職活動
―その他のアメリカの都市
―スピード感と規模が桁違い中国のAI企業
―その他の国々のAI企業事情
AI用語集
読者の声
思わず一日中読んでしまいました。
こんなにもコンパクトに色々な情報源をまとめているのに感心しました。
機械学習を実践して3年になりますが、情報源はエンジニアの成長の上で非常に大切です。
この本を是非友人に勧めたいと思います。
大学で多くの生徒がAIを学んでいますが、教材や学ぶ環境が整っておらず困っている生徒が多いです。
この本は初心者向けにオススメできます。
素晴らしい本の出版、おめでとうございます! (インド人 AIポスドク J.S.さん)
びっくりしたんですが、めちゃくちゃ面白い(笑)。
業界人だからこそって感じの内容で、メディアとかTwitterアカウントとかの紹介もある(笑)
さらにAI NOWまで大々的に紹介してくださっている...
嬉しみしかないです。 (メディア AI NOW編集部 小澤さん)
是非感想をお寄せください!
© 2017 DAISUKE ISHII
MADE IN OKAYAMA 🍑 WITH LOVE ❤️